top of page
代表理事 挨拶
吉川雅之
京都薬科大学
​名誉教授 薬学博士
21世紀は植物の時代です

 21世紀は「植物の時代」と言われます。この言葉は、人口の急増に伴う食糧不足と地球温暖化現象や化学物質による環境の変化、汚染など人類に突き付けられた難題を解決する鍵は植物であることを明言したものです。

12 2.jpg
茶花.jpg
自給自足から近代農法へ転換し、変わったこと

 このような植物と人間のかかわりは今に始まったことではありません。人類はその誕生の時代から植物を衣食住のすべてに利用してきました。約1万年前には野生植物の採取から農耕が始まり、自給自足的な農業を経て近代農業へ転換しました。近代農業では自然の生態系から除草剤、殺虫剤などの農薬を用いた農業生態系へと移行し、数多くの在来品種が生産効率を高めるために少数の品種に置き換わる遺伝的画一化が行われました。さらに、温度や肥料の調節による自然環境を無視した栽培や、野生種や在来栽培種から遺伝子組み換えを含む目的に応じた品種改良も進みました。

 

 しかし、生態系は生物同士のつながりが複雑なほど安定することが知られており、単一植物を栽培する農業生態系は極めて不安定な生態系と言えます。自然環境の変化による農業生態系での食料生産の低下と共に、形質の変化による含有成分の変化に起因した薬効の消失や、有毒化などの危険性も危惧されています。また、依然として輸入食品や外国産生薬には残留農薬、微生物汚染、トレーサビリティの欠如、産地偽装などの問題が山積しております。

ジャパンオーガニックパーティーの使命

 ジャパンオーガニックパーティーでは、無農薬、有機栽培などのオーガニックをテーゼとして、国内の賛同していただいた生産者の皆様と共に自ら栽培に参画して、安全で安心できる食品や化粧品の日本産植物資源を確保しています。

 

 また、大学などの研究機関と共同でグリーンケミストリーの手法によって植物の持つ新規の生物活性を探索し、未利用資源の開拓、有効利用を目指します。オーガニック植物素材の持つ有用性やその活性成分と作用機作、定量分析による品質評価および臨床データなどの科学的知見に基づく商品企画によって有効なオーガニック化粧品や機能性食品などの開発、創製を推進しています。

 

 我々のオーガニックプロジェクトはその途に就いたばかりですが、数種の素材について興味深い知見が得られており、随時商品化へと展開してまいります。

オーガニックプロジェクトの益々の発展のために、皆様方のご理解とご支援を衷心よりお願い致します。​

蓮花.jpg
bottom of page